雑記21

ラストパタパタ

通勤では東横線を使っているが、その東横線が先週沿線トラブルか何かで半日くらい運転見合わせになった。それで普段滅多に使わない京急線を使うことにしたのだが、京急川崎駅で、今となってはすっかり珍しくなったコレを見かけた。

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フラップ式の案内表示器、所謂パタパタ。僕が子供の頃くらいまでは駅にしろ空港にしろ色々なところで見かける機会があったが、最近はLEDどころかLCDが大普及して、すっかりレガシー化してしまったような印象がある。
少し調べたら、京急でコレが残っている駅はどうもここだけらしかった。それどころか全国的にも伊丹空港とかよく分からん私鉄のよく分からん駅とか、とにかく数箇所にしか残っていない絶滅危惧種らしい。

これが、電車を迎えたり送ったりする度に左から右にパタパタ回転しているところを見ると「俺が頑張っているところを見ろ」と猛アピールされているようで面白い。そつなく澄まし顔でパッと表示を変えてくるLCDよりも、仕事をしている感が目に見える。
ただ残念なのが、彼は実直な割に生まれつき仕事が遅いので、こういう風に情報開示にラグがある。

「パタパタ先発パタパタ7番線パタパタ特急パタパタパタパタ羽田空港!」
「何時?」
「パタパタパタパタ8:30!」
「何両?」
「パタパタパタパタ8両!」
「君、真面目なのはいいんだけどなあ」

後輩のLCDに、あっという間に仕事を取られた理由が分かる。
ただ、いたずらに彼を否定することはない。僕も仕事を抱えてゲロ忙しくなってしまった時には、言動や態度で上司にそれとなく「頑張っている俺に気付け」と主張したくなることが往々にしてあるから、パタパタの気持ちはよく分かる。結果はさておくとして頑張っている姿勢を認められたいのは、皆そうだ。
だからもし君達がいつかどこかで偶然パタパタを見かけたら、彼らの孤軍奮闘ぶりに生暖かい目で応える必要がある。分かってる分かってる、頑張ってる頑張ってる……と宥めの言葉をかけながら、いつどのタイミングでこの世から消え失せるかも分からないパタパタの回転音に耳を澄まそう。
ラストパタパタに敬礼。